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東京高等裁判所 昭和24年(新を)3438号 判決 1950年3月24日

被告人

梁源淳

主文

本件控訴はこれを棄却する。

理由

前略。

弁護人百溪計助控訴趣意書(四)について。

原審第三回公判調書の記載によれば、本件判決宣告期日は昭和二十四年八月三日午前十時と指定されているし、第四回公判調書によれば右八月三日に判決の宣告が為された旨記載されているから本件判決の言渡が八月三日に為されたことは疑う余地のないものである。尤も、本件判決書の末尾には昭和二十四年九月五日なる日附の記載があるが、元来判決書には作成者たる裁判官が其の作成年月日を記載すべきであつて、その宣告の日を記載すべきものでないことは刑事訴訟規則第五十八条によつても明かであり、本件判決も亦、之の例によつて其の作成の日たる九月五日を判決書に表示したものであることは一点の疑ひも容れる余地がない。ただ、判決書第一頁欄外には昭和二十四年九月五日宣告が為された旨の書記名義の記載があるが、右記載は裁判所書記が判決末尾記載の前記日時を言渡日時の記載と誤解した上為したものであると認めるべきである。之の記載が前記公判調書の記載、並に、判決書自体の記載に何等かの影響を及ぼすべきいわれは全然無いのであるから論旨は理由がない。

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